オペラ座でシャガールの天井画「夢の花束」を見た翌日、僕らはフランクフルトへ移動した。
二つ目のシャガールの作品、聖ステファン教会にある青のステンドグラスを観るためだ。
フランクフルト空港からマインツ駅へ
マインツはフランクフルト空港から電車で約30分。
フランクフルト空港でのトランジット時間を長めにとればその日のうちにマインツへ行き、ステファン教会を見学してから帰国便に乗ることも可能だ。
しかしその日は空港ホテルに一泊することにしていた。
空港でやりたいことがあったからだ。
「やりたいこと」については後述する。
パリ、シャルル・ド・ゴール空港からフランクフルト空港までは僅か1時間15分のフライト。
空港到着後はすぐにホテルにチェックイン。
空港駅からA8番のUバーンでマインツ駅に移動。
30分ほどのローカル線の旅だ。
オペルの自動車工場が左手に見えるとすぐにマインツの駅に着いた。
マインツのセントステファン教会
マインツの駅から坂道を15分ほど歩いたところに聖ステファン教会はある。
ピンク色の外観に優しい曲線の尖塔を持ったこの建物は「山の教会」と呼ばれ親しまれている。
その日は12月25日、クリスマスの当日。
きっとミサで中には入れないのだろう、ダメだったら外観だけでも見て帰ろうと決めていた。
青のステンドグラスとクリスマスのミサ
聖ステファン教会の入口のドアには魚の形をした取っ手があり特徴的だ。
静かにそのドアを開けた瞬間、室内が青一色に染められているのが目に飛び込んできた。
教会内には観光客らしい数人の姿が見える。
まだ、ミサは始まっていなかったので、中に入ることができた。
僕らが中に入るのを見ていたのか、その後から3人ほど観光客が覗き込む様にして中に入ってきた。
内部は一面の青一色。
荘厳である。
生憎、天気は曇りだったがそれでも青の広がりは教会を埋め尽くしていた。
これで天気がよかったらどうなんだろうかと想像していると、入り口から地元の人らしき人達が次々に入ってきて椅子にかけは始めた。
正面ではパイプオルガンの演奏が始まった。
これからクリスマスのミサなのだ。
僕らは外に出るタイミングを完全に失い、他にも観光客らしい何人かの姿が見えたのでそのまま最後部の椅子に遠慮がちに座った。
神父のお説教が始まった。
ドイツ語なので内容はわからないが(英語であってもわからないと思うが・・・・)、一面の青とパイプオルガンの音色、神父の低い声。
そして今日は12月25日のクリスマス。
なんという幸運なのだろう。
1時間ほど経った頃、隣の席から寄付の籠が回ってきたので€10札を入れた。
時刻は12時少し前。
近くのレストランにランチの予約をしていたのを思い出し、席から離れることにした。
クリスマスのミサ、それも訪問することを切望していた教会での思いがけない体験。
なかなかできるものではない。
僕らはこの幸運を胸に、魚の取手のついたドアを開けると教会に別れを告げた。
フランクフルト空港で限定リモワを買う
今回フランクフルト空港に宿泊したのは、ある買物をするため。
ドイツの空港限定のルフトハンザワールドショップでしか手に入らないリモワを購入するためだ。
このリモワのスーツケース、ドイツ国内の主要空港でしか買えない。
このスーツケースにはルフトハンザのエンブレムである鶴のマークが入っていてこれを買うためだけにドイツまで来るマニアもいるそうだ。
在庫なしの場合もあるので事前にネットで予約ておいたほうがいいと聞いていたが、僕が狙っていたスーツケースは在庫があった。
今回購入したルフトハンザ限定 リモワクラッシック
このマークがこのリモワが限定仕様であることの印になっている。
今回持ってきたスーツケースは旅が終われば廃棄するつもりでいた。
その店でお目当ての品を購入した後、販売店に今まで使っていたスーツケースの処分をお願いした。
古くなったとはいえ、長く一緒に旅をしてきたスーツケースには愛着がある。
スーツケースが引き取られるときに「Auf Wedersehen(さようなら)」とドイツ語で声をかけた時、店にいた二人のスタッフは笑顔で応えてくれた。
きっとそういう人が多いのだろう。
訪問年月 2017年12月
Pfarrei St. Stephan Mainzの基本情報
住所:Kleine Weißgasse 12, 55116 Mainz, ドイツ
URL : Pfarrei St. Stephan Mainz https://bistummainz.de/pfarrei/mainz-st-stephan/